NO.116
德村幸子
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こんにちは!
私は、主にゲームなどの映像に合わせた音楽、環境音、効果音、音声など、トータルで音の制作を行っております、作曲・サウンドクリエイターです。
素晴らしい先生方と並んでご紹介いただくことに恐縮至極に存じますが、JCAAが多様性に富んでいる素晴らしい組織であることをお伝えするのは私の努めとも思い、パラレルキャリアに挑戦してしまった話をお伝えしてみたいと思います。

■よくある葛藤
音楽関係の方に伺うと、「このまま活動をしていくことが正解なのか悩んだ時期があった」とおっしゃる方が多いです。
私もそんなひとりで、はたして音楽が娯楽ではなく、人様の生活に役立っているのか?
近年は音楽もどんどん消費されていき、数年経つともう古いと言われることも多い中、自信を持って音楽の価値を語れるようになりたい、音楽で社会貢献できないか、と考えるようになりました。

■音楽の価値
そして、様々な研究資料を調べていた中、音と記憶の関係に出会いました。
【10歳くらい~30代半ばくらいまでの時に聴いていた「音や音楽」は、高齢になっても良き思い出の曲として好む傾向があり、脳の活性化、気分の向上など、健康につながる効果がある】という研究、そしてその裏付けになるデータが世界中にあるではないですか。
ということは、今の仕事が小さな種となり、数十年後に私の知らないところで、誰かの思い出として実る可能性も、と考えると、とても感慨深く、やりがいのある仕事ができることにありがたさを感じながら、制作に取り組むようになりました。

■昭和歌謡!
そして、音楽による思い出活用をすべく、オトナ世代の方へ認知症&フレイル予防として、「昭和歌謡を歌って踊って思いっきり楽しむ団体」の運営にも挑戦をはじめました。
恥ずかしい話ですが、自分の作曲スキルなどを使って社会貢献しよう、などと思ったこともありました。
しかし、昭和世代の思い出に直結する、素晴らしい流行歌・歌謡曲が沢山あるわけですから、今のオトナ世代の皆さまの特効薬として活用すべき!と、介護予防指導の資格も取り、中高年~80代の方と一緒に、歌いながらの振付運動を楽しんでいます。

実は、私自身それほど昭和歌謡に馴染みがなく生きてきたのですが、活動を通して曲を知り、なぜもっと早くこれら魂のこもった曲たちに触れ合わなかったのか悔しく感じるほどに、当時の楽曲の挑戦や工夫、熱意と躍動感に感動し、改めて勉強中です。
群雄割拠していた昭和歌謡界のワイルドな「熱」、タイムトラベルして体験してみたいものです。どなたか当時の世界を再現映画化とかしてくれないものでしょうか!

以上、永遠の若輩者な私に、紹介の機会を頂きましてありがとうございました!
このような居場所を作ってくださり、暖かく受け入れてくださる先生・先輩方に深く感謝申し上げます。


◎德村幸子(とくむらさちこ) Profile
1976年3月生まれ。東京都世田谷区出身・品川区在住
音楽大学卒業後、ゲーム会社サウンドチームなどを経て、各種メディア・コンテンツやイベントなどの楽曲制作・サウンドクリエイト・MA業務を行う。
映像や物語を引き立てる裏方として、適切にコンテンツをサポートする「音によるおもてなし」をモットーに活動中。
愛犬家♡
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