概要

【団体名】
一般社団法人日本作編曲家協会(JCAA)
【設立】
1970年(昭和45年)
【事務局所在地】
〒141-0031
東京都品川区西五反田2-13-8
五反田山﨑ビル407号
電話:03-6666-6266
【代表者】
小六禮次郎
【会員数】
234名   2025年6月16日現在
【定款】
定款:PDF

ご挨拶

会長 小六禮次郎
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 近年、日本のみならず世界の音楽業界は劇的な変貌を遂げています。デジタルの世界は音楽制作の現場だけでなく、音楽を聴く形態、音楽を聴く人々の生活までも変化させ、又この数年、AI(人工知能)の進化は、私たち音楽を創る者にとって計り知れないものがあります。
 そのような重要な問題を抱える当協会は、55年間の歴史の中で、いつの時代にも色々な問題に取りくみ解決を計ってきました。創立当時は編曲家(アレンジャー)の集まりでしたがその後、映画、TVドラマ、CM、アニメ、ゲーム、J-POP、そして、クラシック現代音楽の作曲家まで、もちろん演歌、歌謡曲、ニューミュージック等の作編曲家も! あらゆるジャンルの作曲家・編曲家が集う団体となりました。そして私たちの仕事も従来の枠の中には収まりきらず、音楽作家のプロフェッショナルとして、サウンドクリエーター、プロデューサー、メロディーライター、パフォーマー、トラックメーカーといった様々なジャンルの仕事をこなしているのが現状です。
 このような中で、私たちが考えなければならない問題は多岐にわたります。AIというまだ先の知れない、又すべての音楽制作や使用にかかわってくるシステムに対する私たちの対処の仕方、デジタル配信、著作権契約、編曲著作物氏名表示、著作物の無断使用、改変、各ジャンルの作家同士の意思の疎通、等々、数えきれない問題があります。このようなたくさんの問題の解決、改善のため、当協会は多くの活動を継続しています。そして、現在音楽業界の第一線で活躍している当協会の会員が、もっと多くの意見を、JASRAC、芸団協などの運営に反映させてゆくために、さらに、私たちが、私たちの存在や活動等を社会に認めてもらうためには、作家の団体としてパワーアップを計ってゆくことが絶対に必要であることは言うまでもありません。
 現在会員は20代から80代までの構成ですが、やはり若い世代の力がもっと必要です。
大衆音楽、芸術音楽の区別なく、多彩な音楽家たちが集い、世代を超えて良き音楽を届ける集団が、私たちの会の目指すべき理想の形です。

 日本作編曲家協会は、55年の歴史をもち、故服部克久名誉会長の思いを継続し、他の音楽団体とも手を取り合って、日本の音楽の発展に貢献してまいります。
理事長 渡辺俊幸
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 当協会は、1970年に故・服部克久名誉会長を中心に創立されました。設立当初の名称は「日本アレンジャー協会」であり、主にプロの編曲家を会員とし、編曲家の権利の確立と地位向上を目的として活動を始めました。その後、「日本アレンジャーズ & パフォーマーズ協会」、そして現在の「日本作編曲家協会」と名称を変え、2010年には法人格を取得し、一般社団法人として新たな歩みを始めました。名称は変わっても、編曲家という職能に光を当てる、日本で唯一の団体であるという理念は今なお変わりません。
 1995年に当会は「編曲著作権に関する宣言」を表明し、1998年にはJASRACにおいて「公表時編曲制度」の運用が開始されました。これは、作品が初めて公に発表される際に行われた編曲に対して、カラオケ等の使用料から分配を受けられる制度であり、編曲の創作的価値に対する社会的な理解があって初めて実現した仕組みです。そしてその背景には、JCAAによる粘り強い働きかけと、音楽文化の多様性を守ろうとする強い意思がありました。

 現在のJCAAは、編曲家に限らず、ポップス・映画音楽・アニメ・CM・現代音楽など、多岐にわたるジャンルで活動する音楽クリエイターたちによって構成されています。それぞれが異なる立場で、著作権、クレジット表示、デジタル配信、AIの台頭など、さまざまな課題に直面しています。当協会は、そうした会員一人ひとりが抱える課題を共有し、協力し合いながら解決を目指す「対話と連携の場」であるべきだと考えています。
 そして今、私たちが力を注ぐべき大切なテーマの一つが「次世代の育成」です。JCAAが、若いクリエイターたちにとっても信頼できる拠点であり、共感と魅力を感じられる団体であるために、活動の透明性と柔軟性を高めていく所存です。音楽表現が多様化し、音楽を取り巻く環境も大きく変わる中、世代を超えて音楽に携わる人々が集い、語り合い、連携できる場所として、JCAAをさらに進化させてまいります。

 これからも、創立以来培ってきた信頼と誇りを大切にしながら、会員の皆さまと共に歩み、音楽文化の未来に貢献できる団体を目指して尽力してまいります。

宣言

編曲著作権に関する宣言
 一つの楽曲が CD 等の形で世に出るまでに、編曲家による楽曲のアレンジを経ているのが一般である。このアレンジによって、その曲は次元の高い楽曲へと昇華され、一つの商品として完成される。CD 等の制作においてしめる編曲家の役割は極めて重要なものであり、編曲家は作詞家、作曲家、演奏家、制作者等と共にわが国の音楽文化の基礎を支える柱の一つである。
 聞き手やカラオケ愛好家の多様な嗜好に対応するために、今日、編曲家の役割は日増しにその重要性を増している。
 しかし、このような編曲家の重要な役割にもかかわらず、現在の音楽産業界においては、編曲家の音楽文化への貢献と基本的な権利(著作権)について、正当な評価がなされておらず、著作権法上の権利は全くの「画餅」の状態にある。
 世上、編曲家の著作権を形式的には認めつつも、「音楽業界の商慣習として編曲家への配分は認められない」とし、実質的に編曲家の著作権を否定する見解があるが、当会はカラオケが今日のように隆盛をきわめ、デジタル方式の通信カラオケが瞬時に店舗に供給され、編曲家の業績が連日無償で使用しつづけられている現状に照らして、上記の見解は到底妥当性をもたないものと考える。マルチ・メディア時代を迎え、多くの音楽ソフトが一般家庭に配信されようとしている現在、編曲家の業績の無償使用を放任することは、公平の大原則に著しく背馳するものである。
 編曲家をめぐるこのような現状に鑑み、当会は、わが国における編曲家の集団の文化的責務として、編曲著作権に関する以下の宣言をなすものである。

  • 編曲著作権は編曲がなされたその時に成立し、当会所属の会員は、文書による明示の公正な合意による場合を除いて、編曲著作権を第三者に譲渡しない。
  • 楽曲が最初に公表されたときの編曲(イニシャル・アレンジ)を使用する場合、これを使用する関係者は、そのイニシャル・アレンジをした編曲家の著作権(録音権・演奏権等の著作財産権)を尊重し、適正な使用料をその編曲家に支払うべきことを求める。
  • 編曲家は自らの編曲著作物について著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)を有するものであり、編曲著作物を使用する場合、その関係者は氏名表示等を公正に履践し、著作権法を遵守されるよう求める。
1995年9月1日
日本作編曲家協会(JCAA)
会長 服部克久

※役職は宣言発表当時のもの


作編曲家の氏名表示に関する宣言
今日、音楽は、テレビ、ラジオ、有線放送、インターネット、CD、ゲーム、カラオケ、映画、舞台音楽等の多くの領域で使用されているが、使用楽曲の作曲者、公表時編曲者の氏名表示がなされていないものが多々見受けられる。
この現状に鑑み、当会は著作権法19条に基づき、私的利用の範囲を超えて楽曲を使用する全ての場合において、作曲者並びに公表時編曲者の氏名表示を履践されるよう、音楽制作者、放送事業者、有線放送事業者、インターネットサーバーとホームページ保有者、テレビゲーム制作者、カラオケ制作者、映画製作者、舞台音楽制作者、その他一切の音楽制作関連事業者各位に対し、会員の総意によって宣言するものである。
2004年6月28日
日本作編曲家協会総会決議

役員一覧

名誉会長
故 服部克久
会長
小六禮次郎
理事長
渡辺俊幸
常任理事
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川井憲次
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猿谷紀郎
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関 美奈子
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寺嶋民哉
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長山善洋
業務執行理事
長山善洋
理事
朝川朋之
穴沢弘慶
大間々 昂
池 毅
栗山和樹
神前 暁
小林洋平
三枝成彰
篠崎正嗣
千住 明
武永京子
鍋島佳緒里
ねじ式
服部隆之
牧戸太郎
宮川彬良
山下康介
山本清香
(50音順)
監事
馬飼野俊一
宮下博次
事務局長
萩田恭代