NO.952017.10.11
私の初音楽体験は2、3才の頃ダイナ・ショアが歌った「青いカナリア」です。毎日のようにレコードをかけてくれと母親にせがんでいたと後から聞きました。今聞きなおしてみると本当にカナリヤのさえずりが録音されているのですね。これが幼心にも気持ちよく響いたのかな、なんて思っています。中学に入る頃からはベンチャーズにはまりひたすらコピーしたことを思い出します。その後中三の時になぜかウエスモンゴメリーのレコードを聴く機会があり愕然としたことを覚えています、コードもメロディーもさっぱりわからないのです。
この頃からジャズにはまり色々なレコードを聴くようになりましたがテンションもツーファイブも知らずに過ごしておりました。
高校時代はブラスバンドでトロンボーンを担当し楽しく過ごしていましたが何せ田舎の高校で部員数が少ないのです。売っている譜面は30人とか40人編成なのでこれを少人数用に書き直す係になってしまいこれが編曲家を志すきっかけになりました。その後ネム(ヤマハ)音楽院に進み故若松正司先生などから指導を受けました。当時トロンボーン科の生徒は二人なのに先生は3人、ソルフェージュの指導に前田憲男先生がこられるなどとんでもなく素晴らしい環境で学ばさせてもらいましたが未だに聴音は苦手です。
20代の頃はヤマハ音楽振興会にてアシスタントディレクター兼スタッフアレンジャーとして勤務していました。ポプコンや世界歌謡祭などのお陰で当代一流の先生達のスコアを数多く見ることができたのはとても幸せな経験です。今のように楽譜ソフトのない時代ですからそれぞれの先生達の個性あふれる手書きのスコアを目の当たりにして色々と勉強させていただきました。中でも流れるような筆跡の青木先生のストリングスセクション、律儀な雰囲気を醸し出す小野崎先生、見るからに美しい前田先生のスコアなどを思い出します。
30歳でヤマハを退社してフリーランスの道を歩むことになるのですがフリーで食べていけるのだろうか?などの心配はあまりしなかったように思います。時代が良かったのでしょう。レコーディングやテレビの歌番組で使うフルバンドのアレンジの仕事が数多くありました。多分僕の世代がフルバンドを多く書いた最後かもしれません、その後歌番組が少なくなり伴奏の形態も時代とともに変わってきます。
還暦を過ぎて思うことはどんなに忙しくても好きなジャンルの追求を続けなかったことへの反省です。
忙しかった当時は流行の洋楽をコピーしたり分析ばかりしていたように思います。これからはゆっくりと趣味のジャズギターでも練習しようかな・・・
◎飛澤宏元(とびさわひろもと) Profile
( Composer & Arranger )
1954年 北海道出身
1974年 ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)トロンボーン科卒業。トロンボーンを中沢忠考氏に師事、編曲を若松正司氏、福井陵氏、北川裕氏などに師事する。
1978年 (財)ヤマハ音楽振興会にディレクター及びアレンジャーとして入社。ポプコン、世界歌謡祭などの編曲を手がける。
1982年 同財団を退社、フリーのアレンジャーとなり多数のアーティストのアレンジを手がける。またアニメーションなどのBGMや主題歌の作・編曲などと共に、「しつけハウツービデオ」などの教育ものにも力を入れている。
1990年からエレクトーン核講師研修会の作編曲講師 エレクトーンコンクール審査員
1995年からヤマハ通信教育講座SEREにて作編曲講師
コンピュータをいち早く導入し通信カラオケや着信メロディーの開発にも携わる。
日本音楽著作権協会正会員
作編曲家協会会員 同協会編纂の(編曲の本 ヤマハ出版)の執筆
■主な編曲作品
田原俊彦「哀愁でいと」
田原俊彦「さらば夏」 1985年日本歌謡大賞受賞
田原俊彦「Jungle/ジャングル」
クリスタルキング 『愛をとりもどせ』北斗の拳 主題歌
中井貴一 『青春の誓い』
松山千春「純」映画「武闘派」主題歌
松山千春「抱きしめたい」
松山千春「燃える涙」フジテレビ
―「千代の富士物語」主題歌
松山千春「君を忘れない」
―フジテレビ「みにくいアヒルの子」主題歌
松山千春 『30周年記念カバーアルバム』
石川さゆり「純情歌」
加藤登紀子「百万本のバラ」「知床旅情」「難破船」
などの92年度版リアレンジ集ならびに 新日本フィルとの競演用オーケストラアレンジ
太田裕美 柏原芳江 テレサテン 上田正樹などのアルバムアレンジ
2003年夏のNHK特番 (夢と魔法のファンタジー)の編曲
■主な作曲作品
ラジオCM 資生堂「MIDNIGHT FACES」 2000年 ACC作曲賞受賞
TVアニメ「キャプテン翼」1995年 JASRAC国際賞受賞
TVアニメ「クレヨンしんちゃん」
TVアニメ「獣神ライガー」
TVアニメ「どっきりドクター」
TVアニメ「怪傑ゾロ』
TVアニメ「超音戦士ボーグマン』
映画「六本木バナナボーイズ」
幼児向けビデオ「しつけハウツービデオ」 など。
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飛澤宏元
私の初音楽体験は2、3才の頃ダイナ・ショアが歌った「青いカナリア」です。毎日のようにレコードをかけてくれと母親にせがんでいたと後から聞きました。今聞きなおしてみると本当にカナリヤのさえずりが録音されているのですね。これが幼心にも気持ちよく響いたのかな、なんて思っています。中学に入る頃からはベンチャーズにはまりひたすらコピーしたことを思い出します。その後中三の時になぜかウエスモンゴメリーのレコードを聴く機会があり愕然としたことを覚えています、コードもメロディーもさっぱりわからないのです。
この頃からジャズにはまり色々なレコードを聴くようになりましたがテンションもツーファイブも知らずに過ごしておりました。
高校時代はブラスバンドでトロンボーンを担当し楽しく過ごしていましたが何せ田舎の高校で部員数が少ないのです。売っている譜面は30人とか40人編成なのでこれを少人数用に書き直す係になってしまいこれが編曲家を志すきっかけになりました。その後ネム(ヤマハ)音楽院に進み故若松正司先生などから指導を受けました。当時トロンボーン科の生徒は二人なのに先生は3人、ソルフェージュの指導に前田憲男先生がこられるなどとんでもなく素晴らしい環境で学ばさせてもらいましたが未だに聴音は苦手です。
20代の頃はヤマハ音楽振興会にてアシスタントディレクター兼スタッフアレンジャーとして勤務していました。ポプコンや世界歌謡祭などのお陰で当代一流の先生達のスコアを数多く見ることができたのはとても幸せな経験です。今のように楽譜ソフトのない時代ですからそれぞれの先生達の個性あふれる手書きのスコアを目の当たりにして色々と勉強させていただきました。中でも流れるような筆跡の青木先生のストリングスセクション、律儀な雰囲気を醸し出す小野崎先生、見るからに美しい前田先生のスコアなどを思い出します。
30歳でヤマハを退社してフリーランスの道を歩むことになるのですがフリーで食べていけるのだろうか?などの心配はあまりしなかったように思います。時代が良かったのでしょう。レコーディングやテレビの歌番組で使うフルバンドのアレンジの仕事が数多くありました。多分僕の世代がフルバンドを多く書いた最後かもしれません、その後歌番組が少なくなり伴奏の形態も時代とともに変わってきます。
還暦を過ぎて思うことはどんなに忙しくても好きなジャンルの追求を続けなかったことへの反省です。
忙しかった当時は流行の洋楽をコピーしたり分析ばかりしていたように思います。これからはゆっくりと趣味のジャズギターでも練習しようかな・・・
◎飛澤宏元(とびさわひろもと) Profile
( Composer & Arranger )
1954年 北海道出身
1974年 ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)トロンボーン科卒業。トロンボーンを中沢忠考氏に師事、編曲を若松正司氏、福井陵氏、北川裕氏などに師事する。
1978年 (財)ヤマハ音楽振興会にディレクター及びアレンジャーとして入社。ポプコン、世界歌謡祭などの編曲を手がける。
1982年 同財団を退社、フリーのアレンジャーとなり多数のアーティストのアレンジを手がける。またアニメーションなどのBGMや主題歌の作・編曲などと共に、「しつけハウツービデオ」などの教育ものにも力を入れている。
1990年からエレクトーン核講師研修会の作編曲講師 エレクトーンコンクール審査員
1995年からヤマハ通信教育講座SEREにて作編曲講師
コンピュータをいち早く導入し通信カラオケや着信メロディーの開発にも携わる。
日本音楽著作権協会正会員
作編曲家協会会員 同協会編纂の(編曲の本 ヤマハ出版)の執筆
■主な編曲作品
田原俊彦「哀愁でいと」
田原俊彦「さらば夏」 1985年日本歌謡大賞受賞
田原俊彦「Jungle/ジャングル」
クリスタルキング 『愛をとりもどせ』北斗の拳 主題歌
中井貴一 『青春の誓い』
松山千春「純」映画「武闘派」主題歌
松山千春「抱きしめたい」
松山千春「燃える涙」フジテレビ
―「千代の富士物語」主題歌
松山千春「君を忘れない」
―フジテレビ「みにくいアヒルの子」主題歌
松山千春 『30周年記念カバーアルバム』
石川さゆり「純情歌」
加藤登紀子「百万本のバラ」「知床旅情」「難破船」
などの92年度版リアレンジ集ならびに 新日本フィルとの競演用オーケストラアレンジ
太田裕美 柏原芳江 テレサテン 上田正樹などのアルバムアレンジ
2003年夏のNHK特番 (夢と魔法のファンタジー)の編曲
■主な作曲作品
ラジオCM 資生堂「MIDNIGHT FACES」 2000年 ACC作曲賞受賞
TVアニメ「キャプテン翼」1995年 JASRAC国際賞受賞
TVアニメ「クレヨンしんちゃん」
TVアニメ「獣神ライガー」
TVアニメ「どっきりドクター」
TVアニメ「怪傑ゾロ』
TVアニメ「超音戦士ボーグマン』
映画「六本木バナナボーイズ」
幼児向けビデオ「しつけハウツービデオ」 など。